フリーランスとして働くことを考えている方は商流についても理解しておくことをおすすめします。
案件によっては商流が違うだけで単価が変わってきてしまいます。また自分が希望する単価の案件を獲得はできるかもしれません。しかし働き続ける上で、報酬アップの交渉の通りやすさ等にも影響します。
商流のところは理解した上で案件を探すことをおすすめします。
フリーランスの単価と商流は切っても切り離せないところなので抑えておきましょう。
今回の前提
今回は商流部分をわかりやすくするために大雑把なシミュレーションをすることにしました。現実にはないような数字になっている部分もありますが、ご了承ください。
また実際の手数料や利益部分についてはほとんどが明示されていないため、仮に設定した数字でまとめています。
さらに間に入っている会社が多くても希望金額の報酬を得られたり、購入できたりすることもあります。あくまで一例を見ながら、理解を深めていただければと思います。
商流が長くなった場合の大まかなシミュレーションで概要を掴んでください。
商流は短い方がいい
結論から伝えると、商流は短い方が金額的なメリットは高いです。
色々な案件を対応していく中で、商流問題にぶち当たった僕の結論です。
身近な商流の例
商流と聞いてイメージできない方のために、一般的な商品の場合で解説します。
わかりやすくするためにメーカーA社が50万のPCを販売しているとします。(実際に50万のPCがあったとしたらかなりのハイスペックだと思います。)
PCが消費者となる自分の手元に届くまで、4つの会社の経由。その場合、各社で利益を確保するために仕入価格に対して10%を上乗せして販売。そうすると個人が購入する時点で価格が70万を超えました。
一方で同じ価格のPCを販売しているF社は消費者に直接販売しているため、50万の価格で購入可能です。
これが商流として間に入る会社が多ければ多いほど、消費者が購入する価格が上がる仕組みです。
現実では消費者に届くまでここまで値上がることは稀だと思います。
メーカーから消費者である僕達の手に渡るまでに沢山の人が関わっていたら、その分商品価格は上がります。
この理論ではメーカーから直接購入できれば一番安くなります。
フリーランスの商流例
次にフリーランスの商流についてです。
仕事を委託したいA社(エンド)に予算が50万あるとします。まずはB社に人材を探して貰う形になりますが、社内にいなければ、他社に相談となります。その場合、一般的な商品と同じ様に利益出しておく必要があるので、10%の手数料を取る。するとC社には45万で仕事を発注することになります。
同様に自分が仕事を受注するまでに複数の会社が入った場合、得られる報酬は減ります。下記の図では自分が5次請けとなった場合の例を表しています。各社手数料を10%取ると仮定すると自分が仕事を受注した際には32万。
一方でエンドと直接契約できた場合、予算の50万がそのまま報酬となります。
エンド側で準備されていた予算が同じでも間に入っている会社が多ければ、報酬が減ることになります。
ちなみにボク個人の経験としては5次請けになったことがあります。各社の手数料がどれだけ取られていたかはわからないので、実際に予算はどのくらいで組まれていたのか不明です。
フリーランスの場合、間に会社が入れば入るほど報酬が減ります。今回は手数料を一律で計算していますが、実際はばらつきがります。また多いところでは手数料を40%とっている会社もあるようです。
中抜き
エンドの会社と自分の間に入っている会社をへらす行為を『中抜き』といいます。いくつかパターンがありますが、下記には2つのパターンを例にあげます。
しかし、中抜きは基本的にタブーとされています。
ただし、会社の状況や契約の都合上で中抜きとなるケースもあります。また禁止されていたり法律上罰則があるものではありません。
シンプルに間に入っている会社を少なくすれば、得られる報酬が増えるので、中抜きを考えるのは普通だと思います。
図1. 中抜きのパターン
商流変更(パターン1)
仮に現状としてD社を経由して契約していたとします。(上記図1を参照)
その際に上流の会社であるC社から直接契約の話が来ると行ったケースがあります。単純に人材を確保したい場合や間に入っている会社が案件から手を引く場合と様々な状況で発生します。
僕自身に話があったケースで言えば、契約やセキュリティ上、間に会社を挟んでいると不可能になる業務があるという理由で話が出てきました。
またD社が交渉や調整をした結果、中抜きとなるケースもあります。
どちらにしろ商流が短くなるため、報酬UPが見込めます。
間に入る会社が一つでも少なくなれば、得られる報酬は上がるはずです。
直契約(パターン2)
エンドから直接契約の話が出てくるパターンもあります。(上記図1を参照)
こちらは完全に間に入る会社をなくしてしまう形です。
こちらも商流は短くなる結果、報酬UPを狙うことができます。しかし間に入る会社がなくなるため、交渉事は自分で行う必要があります。
個人的な理想はこのパターンですが、実際にはエンドが契約するケースはほとんどありません。一次請けまたは二次請けの会社がフリーランスと契約をする場合が多いです。
エージェントを利用すること
交渉事を代理でやってもらうという点ではエージェントを間に入れることはメリットがあります。各種交渉を代理でやってくれることになります。
ただでさえ個人事業主になった場合、会社員時代よりも必要な事務作業が増えます。そのため手間がかかるところは外注してしまうという意味で、エージェントを利用する考え方もあります。もちろんエージェントを利用すると、手数料という形で代金を支払ってうことになります。
一方でエンドと直接契約することは金額的にはメリットがあります。エンドが用意している予算をフルで報酬として得られる可能性があります。ただし交渉事は自分が行う必要があるのでその分負担が発生します。
お互い一長一短なので、どちらのメリットを取るかという話になります。個人的にはエージェントを挟むことをおすすめします。交渉事は任せて自分はできるだけ仕事に集中できる環境を作れるからです。
エージェントを利用を考えている方はコチラの比較記事を参考にしていただければと思います。
エージェントを利用したとしても、なるべく商流の短い案件を選ぶことをおすすめします。
まとめ
商流が長ければ長いほど仕組み上、報酬が減ってしまう傾向があります。そのため、常に商流は頭に入れておく必要はあります。
一方で間に入る会社をゼロにしてしまうと、交渉事も自分の仕事になってしまいます。個人的にはエージェントを利用することをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。